[鹿の舟]の正月事始め
昨日12月13日は「正月事始め」と言われ、家々に幸せをもたらす年神さまを
正月にお迎えする準備にとりかかる日とされています。
その準備の一つがしめ縄、しめ飾りです。
しめ縄は災いや不浄なものが入り込まないようにする結界の役割もあります。
ごぼう締め、だいこん締め、輪飾りといった全国で広く見られる形状以外に、
各地には様々なかたちのしめ縄があり、それぞれの風土や作り手の生活に
根付いたものであることを伺わせます。
共通しているのはすべて藁(わら)を使っていること。
藁から作られたしめ縄が神の力が宿る神聖なもの、と考えるのは
稲作と日本人との密接な関係にあると言われています。
自分達の生活の源である稲に対し、日本人は信仰ともいえる感情を抱き、
神様からの賜りものとして大切にしてきました。
その一部である藁を新しい年への思いをこめながら、
手と手を合わせて綯う(なう)ことでしめ縄に特別な力、
結界となるような力が宿ると信じてきたのでしょう。
もう一つ大切なことはその年の新しい藁でしめ縄を作ることです。
農家では米を収穫した後の藁ではなく、真夏に
出稲前の青々した稲をしめ縄用に刈り取り、
良い状態で乾燥させ、年末まで大切に保存します。
そのおかげで、お正月になってもしめ縄の藁に
この青みと香りが残り、
新年にふさわしい清々しさを持った飾りとなります。
お正月準備のしめ縄は、稲作が日本人の精神に
今も深く根付いていることを思わせます。
「観光案内所 繭」では[鹿の舟]で育った稲の藁を使った
「しめ縄つくり」の教室が開催されます。
自分の手で綯ったしめ縄で迎える新しい年。
新鮮な一年になりそうです。
また、三重県伊勢地方で伝統的なしめ縄「笑門飾り」の
受注販売も17日まで行っております。
「食堂 竈」には、宮崎県高千穂郷で作られた「亀飾り」や「鶴飾り」
といったしめ縄が展示販売されています。
「喫茶室 囀」では、西洋版しめ飾り、[鹿の舟]の庭の草花をあしらった
クリスマスリースや特別メニューでお客様をお迎えしております。