片岡梅林
梅の花が可愛らしい花を咲かせる季節になりました。
奈良町散策の道中、寺社や住宅の庭から伸びる梅の木に
早春の奈良を感じます。
奈良公園にある「片岡梅林」では、およそ240本の梅の木が
可憐な花をつけ、色鮮やかな景色を楽しませてくれます。
片岡梅林は、春日大社参道の南に広がる浅茅ヶ原園地にあります。
浅茅ヶ原園地は、奈良公園内の浮見堂を含む一帯を指します。
「片岡」梅林は、地名に因んで名付けられました。
浮見堂側から見た梅林は、丘のように少し高い場所にあります。
絵になる風景が広がるこの界隈では、
写真撮影やスケッチを楽しまれる方をよく見かけます。
こちらまで足を延ばす観光客が少ないこともあり、
ゆっくりと過ごすことができるのも魅力です。
園地内には、「丸窓亭(円窓亭)」という建物があります。
丸窓亭は、鎌倉時代に春日大社の経庫として建てられました。
別名「八窓庵」とも呼ばれ、丸くくり抜かれた窓が印象的です。
明治時代に今の場所に移築され、国の重要文化財に指定されています。
丸窓亭付近一帯に梅樹が多くあることから、
片岡梅林を「丸窓梅林」とも言います。
梅林では梅見をされている方も見かけ、思い思いに楽しんでいるようです。
また、道路を挟んで東側の飛火野では、今週12日(日)まで、
毎朝「鹿寄せ」が行われています。
ホルンの音色に向け、まっすぐに駆けてくる鹿たち、
地面に落ちたどんぐりを美味しそうに頬張る鹿たち、
朝の散策に組み合わせてみてはいかがでしょうか。
[鹿の舟]でも春の息吹を感じられます。
白梅が花を咲かせ、フキノトウが芽を出し始めました。
他にも花を咲かせはじめた草木がみられ、
春の訪れを待ちわびているかのようです。
早春の奈良をお楽しみください。