鹿の舟のいま

奈良の伝統食材 「吉野本葛(くず)」

小寒を迎え、厳しい寒さが本格化するこの時期
風や空気の冷たさが身に染みるようです。

体を温める食物を生活に取り入れ
体をいたわっている方もおられるかもしれません。

奈良の伝統食材「吉野本葛(くず)」も体を温める食材のひとつであることを
ご存じでしょうか。

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古くから日本に自生する「葛」という、つる植物の根に含まれるでんぷんを
精製したもので、その豊かな栄養や薬効成分から人々の生活で
長らく重宝されてきました。

地中に隠れている葛の根のでんぷんは、この厳しい寒さの中で、
もっとも多く蓄えられます。

また良質な葛の根は山奥にあると言われ、堀子(ほりこ)と呼ばれる
葛の根を掘る職人さんはこの時期に山に入り、根を掘り出すそうです。

そのごつごつした大きな根が、「白いダイヤ」と呼ばれる純白に輝く葛粉に
なるまでには、丹念な手仕事が欠かせません。

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良質な奈良の冬の地下水で何度もさらし、きりっと澄んだ空気の中で、
1ヶ月以上かけて自然乾燥させる「寒ざらし」という工程が必要です。

清らかな水と空気に恵まれた奈良の吉野地方やその周辺は
良質な葛粉の生産地として昔から知られていたため、
この伝統製法は「吉野晒し」とも呼ばれます。

「吉野本葛」はこのような工程を経て誕生した、混じりけのない葛粉です。
他のでんぷんにはない、口当たりのなめらかさに加え、
上品な透明感とつやがあります。


血行を良くし、発汗を促す効果や疲れをとり、気分を落ち着かせる効果もあり、
昔から滋養食として、幅広い世代に親しまれてきました。

この時期、冬の寒さで縮こまった体や心をほどいてくれることでしょう。

冬は葛湯として親しんでおられる方もいらっしゃるかもしれません。

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またとろり、つるり、さらり、からり、と言った多彩な食感を演出できるのも
「吉野本葛」の魅力です。

様々な料理に取り入れることができる柔軟性があり、
素材のうま味や風味を引き出したり、閉じ込めたりできる食卓の名脇役です。

[秋篠の森]なず菜でも、「吉野本葛」をつかった料理を季節に合わせて
ご提供しています。


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(写真はイメージです。葛を使ったお焼きは現在提供しておりません。)


[鹿の舟]竈では、2月1日(金)に「吉野本葛」の講座を開催いたします。

代々400年以上その品質を守ってこられた、
奈良県宇陀市の黒川本家さんをお招きして、葛の魅力や効用、
家庭での活用法など、葛のお菓子や料理を味わいながら学んでいただきます。

この機会に奈良の伝統食材「吉野本葛」に親しみ、生活に活かしてみませんか。
詳細はこちらからご覧ください。


また同月9日(土)に[鹿の舟]繭では奈良の郷土料理「茶がゆ教室」
も開催いたします。

かつては人々の暮らしと共にあった「茶がゆ」の作り方を学ぶだけはなく、
その背景にある奈良の食文化についても親しむことができる講座です。
詳細はこちらからご覧ください。


厳しい寒さが続きますが、[鹿の舟]では様々な会や講座を予定しております。

冬ごもりの合間に、心と体を温めにぜひお越しくださいませ。




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