乾燥しいたけ
月ヶ瀬の恵みが詰まった乾燥しいたけ。
春には、梅林や桜の名所として知られ、
秋には美しい紅葉が広がる月ヶ瀬の地では、
大和茶や奈良晒をはじめとする、豊かな自然の恵みを
生かしたものづくりが行われています。
原木栽培のしいたけも、月ヶ瀬の特産品の一つとして知られています。
そのままでも十分美味しい、しいたけを乾燥させ、
天日で干して作られる乾燥しいたけは、
「食堂 竈」のグローサリーでも、ご好評いただいています。
大小様々な大きさの、しいたけが入っており、香りが良く弾力もあるため、
だし汁や煮物の具材としても美味しくいただけます。
しいたけは春と秋に旬を迎えます。
気温や湿度などの違いによって傘の開き具合や厚みに変化が生まれ、
大きく3種類に分類することができます。
「冬菇(どんこ)」は、傘が肉厚で丸みがあり、つぼみの状態のものを言います。
春先の気温の低い時期にゆっくり成長させます。
中でも、寒さと乾燥により傘の表面が花のようにひび割れた「花冬菇」は
最高級品とされています。
「香信(こうしん)」は、冬菇と比べると厚みは薄く、傘が開いたものを言います。
気温、湿度が高い時期に短期間で成長しています。
「香菇(こうこ)」は、冬菇と香信の中間で、傘が大きく肉厚です。
両方の利点を兼ねそろえているので重宝されています。
料理に合わせて使い分けることで、しいたけの歯触りや風味を
より味わうことが出来ます。
また、乾燥しいたけの香りはレンチオニン、
うま味はグアニル酸という成分でできています。
レンチオニンは、ほんの少しの量でも料理の香りを高めると
いわれるほど強い香り成分です。
グアニル酸は、日本の三大うま味成分といわれ、
干すことにより、成分が10倍に膨らみます。
また、日光に当てることでエルゴステロールという成分が、
ビタミンDに変化するため、水でもどす前に15~20分ほど
天日干しをすることで、ビタミンDを更に増やすことができます。
このように利点の多い乾燥しいたけは、湿気に弱く虫が付きやすいため、
乾燥剤と一緒に密閉することで、日持ちをさせることができます。
また、水につけて冷蔵庫の中でじっくりもどすのが
乾燥しいたけをおいしくいただく秘訣です。
もどし汁には高血圧症に効果があるといわれているので、
煮物や汁物の出汁として有効活用したいですね。
「旬の食品」「自然食品」「伝統食品」が見直され、
「日本産原木乾燥しいたけ」も脚光を浴びています。
おいしさと栄養の詰まった乾燥しいたけを、
色々なお料理でお楽しみください。
4月も終わりに近づいてきましたが、
奈良公園では今でも多くの桜を楽しむことができます。
その昔、興福寺の僧侶が庭の桜を愛でて名付けたとされる「楊貴妃桜」。
萌黄色の貴族の衣装から名付けられた「御衣黄(ぎょいこう)桜」。
花の色が緑から黄色、次第に中心部が筋状に赤く色づきます。
めしべが、まるで象の牙のように伸びている「普賢象(ふげんぞう)」。
今年は桜の開花が緩やかであったため、
「奈良八重桜」は、まだ五分咲きほどのようです。
見頃を迎えるのが楽しみです。