盆地
盆地である奈良は暑さが厳しく、
外を歩くと汗が流れる季節になりました。
奈良町の路地を巡るのも楽しいのですが、一度来られたことのある方には、
奈良の風景を上からゆっくりと眺めていただくのもお勧めです。
高畑を巡り新薬師寺から南に抜けると、時代を遡ったかのような
懐かしい雰囲気の建物が続きます。
横の道を抜け、高円山のふもとにある白毫寺から奈良盆地を眺めると、
通った場所を含め、盆地全体を眼下に堪能していただけます。
白毫寺は天智天皇の皇子である志貴親王の山荘跡をお寺にしたと伝えられており、
阿弥陀如来坐像や閻魔王坐像、石仏が並ぶ石佛の路も見応えがあります。
花のお寺としても有名で、春に天然記念物の五色椿が咲き誇ると、とても華やかです。
今の時期は桔梗が花を咲かせています。
秋の萩の季節もお勧めですが、夏のこの時期に木陰に座り、
奈良を眺めると、とても贅沢な気持ちになります。
週末の夜には、「奈良若草山夜景観賞バス」が運行しておりますので、
昼とは異なる美しさの奈良の夜景を眺めていただけます。
気持ちの良い風が吹き抜ける若草山で夜景を眺めながら
奈良で過ごした時間に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。
また、鹿の舟の風景も日々変化しています。
6月に地域の子供たちに田植えをしてもらった鹿の舟の田んぼの稲穂。
夏空の元で、青々と健やかに育っています。
夏の土用のこの時期、「土用干し」を行い田んぼの水を抜いています。
根が土中でしっかりと張るように、稲の倒伏を防ぐために等の多くの効果があり、
土用干しには先人の知恵が詰まっています。
土にヒビが入るまで乾かしています。
もう数日経つと、次は一気に水を加え、稲穂に水を吸わせます。
鹿の舟から眺める日本の良さ、鹿の舟から巡る奈良の風景をお楽しみください。