月乃音 中国茶稽古記録 5月
[鹿の舟]囀 月乃音 中国茶稽古 開講記録5月
木々が枝葉を伸ばし、いよいよ初夏の陽射しが眩しい季節
今月は四川省に育つ茶の木と茶を育てる人々の風景を学びます
藍茶(三重松阪市)
四川省の山岳民族が藍茶の栽培を始め、東南アジアへと広がる
蓼藍の葉を摘み干したもの
ポリフェノールの抗酸化作用が薬効として
皮膚炎症・鎮静効果や防虫予防等に効き目あり
深い緑に鮮やかな青が混ざり、色濃い葉に湯を注ぐと艶やかな水色が美しい
清涼感があり、藍色が深まるごとにまろやかな甘さが増す
楽山小黄茶(黄茶/2022年4月)
芳醇で爽やか、華やかさもあり香りに奥行きがあるお茶
緑茶に比べ淡い茶色の水色、黄茶の製造工程に人為的に発酵させる
独特の製法を加えることにより、
複雑な甘みと発酵味が感じられる「楽山小黄茶」
香ばしく焼かれた大根風味たっぷりの大根餅をお茶請けに
福建省安渓鉄観音(青茶/2022年秋)
ミネラルをふんだんに含む土壌に育まれた茶は
山々から立ち込める、土や雨や水蒸気などの
有機的な香りを思い起こさせる
おおらかで素朴、叙情的な印象を醸し出す鉄観音は
先人の茶作りを敬い、昔ながらの製法を真摯に受け継ぐ、
その姿勢をも表現している
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茶席は、藍染の青と土色の茶のコントラストが鮮やかに
乃月先生のしつらえには時代や国を越えた茶道具がならび、
湧き上がる茶の香りに、印象深く感じられる風景
器の使い方、身体の運び方、リズムのある間合い
湯が沸騰する音に耳を傾け、静かに集中する稽古時間
次回は6月20日開催です