奈良で茶の湯を愉しむ会 4月のお茶稽古
今月のお稽古では旅箪笥(たびだんす)を使ったお点前を学んでいます。
旅箪笥は持ち運びを考えた道具で、千利休が豊臣秀吉の小田原の役に
同行した際、野点で使われたのが始まりと言われています。
本来、旅箪笥にはやや小ぶりの釣釜(つりがま)を合わせることが
習わしだそうです。
軽やかな春の釣釜とともに炉の季節も間もなく終わりを迎えます。
春の室礼の中、私たちも麗らかな日和の下での野点に思いを馳せながら
お稽古に励んでいます。
「頭上満々 脚下満々]と謳う掛物と
瑞々しい葉を広げた「武蔵鐙(むさしあぶみ)」が
いきいきとした伸びやかな春の空気を運んでくれます。
棗(なつめ)にも春の息吹がたくさん。
茶碗も春の装い。
そそがれるお湯と水の音が心地よく耳をうちます。
またお稽古の時間を共に過ごす日を楽しみに、
それまでは学んだことを心の糧に、それぞれのお茶の時間を
季節の移ろいとともに、愉しみましょう。