お月見茶会 開催いたしました
中秋の名月の時期に合わせ、9月14日(土)の夕刻より、
お月見茶会を開催いたしました。
月見台には神具である三方(さんぽう)の上に「きぬかつぎ」が供えられ、
すすきをはじめとする、季節の草花が彩りを添えます。
すすきは月の神様の依り代とされています。
本来の依り代となる稲穂が、時期的にまだなかったため、
似たすすきを供えるようになったといわれています。
別名「芋名月(いもめいげつ)」といわれる十五夜ですが、
秋の初物、里芋でつくる「きぬかつぎ」をお供えするのも、
五穀豊穣を月に祈るためでした。
お月さまが古来より人々の信仰の対象であったこと、
満月は五穀豊穣の象徴であったことを思い起させてくれます。
[鹿の舟]で3回目の開催となるこのお茶会ですが、
天候により過去の2回ではお月様にお目にかかることはできませんでした。
しかし今年は、会の半ば頃から雲が流れ、白く輝くお月様のもとで、
お茶会を開催することができました。
窓の近くにしつらえられた水盤上の月の姿を愛でる方も沢山おられました。
ろうそくの灯りと月あかりの中、通年のお茶稽古の生徒さんによるお点前で、
お客様にお茶をお出しします。
ともにふるまわれたのは冷やしぜんざい。お月見に因んだ、
丸く柔らかい白玉と小豆のやさしい甘さに心まで和みます。
今回のお茶会では古来の人々の月への祈りに思いを馳せながら、
心地よいろうそくの灯と初秋の風情がただよう室内で
和やかなひと時を味わうことができました。
初秋の夕べを一緒に過ごして下さった皆さま、ありがとうございました。