素材の学校「もろみの教室」 開催いたしました
春の息吹を感じる3月22日(金)、
素材の学校 第3回目は「もろみの教室」と題し、
奈良で無添加無調整の醤油作りに取り組む片上醤油の片上さんご夫婦より、
醤油作りのこと、そして、醤油の元となる「もろみ」について教わります。
「食堂 竈」では、料理の味付けや卵かけご飯のお供に
片上醤油の醤油を使用しており、馴染みの味ではありますが、
その醤油がどのように作られているのか、
[鹿の舟]から、きちんとお伝えするのは、今回が初めてとなりました。
もろみの仕込みを行う前に、大豆や麹の仕組みを学びます。
片上さんが綴る言葉は優しく、愛情を持って醤油作りに臨んでおられることが伝わってきます。
葛城山麗の清らかな空気をそのまま奈良町に運んできてくださったかのような、
和やかな雰囲気の中で、会は進行していきます。
今回は茹でた大豆と麹、そして、「もろみ」の食べ比べも行います。
実際に販売している醤油の「もろみ」を4種、試食用にご用意いただきました。
同じ大豆から作られるもろみでも、見た目や香り、味の違いに、五感を研ぎ澄ませます。
身近な調味料だからこそ、醤油のことをきちんと知るきっかけも少ないのではないでしょうか。
皆さま、メモを取りながら真剣に耳を傾けておられます。
また、醤油や味噌の原型といわれる醤(ひしお)。
万葉集には、このような歌が詠まれているそうです。
「醤酢(ひしほす)に 蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて 鯛願ふ
われにな見えそ 水葱(なぎ)の羮(あつもの)」
醤と酢に蒜(=ニラやノビルのような、香りの強い野草)をまぜ合わせて鯛を食べたいと詠われたこの歌にちなみ、
今回は、鯛の刺身に醤を添えて、皆さまに試食していただきました。
当時は、高級な調味料として食材として食べられていたようです。
味噌のような見た目ですが、味は醤油と、当時の人々の食生活に思いを馳せます。
醤油についての知識を学んだあとは、いよいよ、もろみの仕込みに入ります。
2人1組になり、順番に容器に詰めていきました。
これから各家庭に持ち帰り、育てることで、1年後には絞ると醤油になります。
最後に、もろみの育て方をしっかり学び、会は終了となりました。
日本の食文化に触れる貴重な機会となりました。
1年後が楽しみです。ご参加いただいた皆さま、有難うございました。