素材の学校「お出しの教室」 開催いたしました
[素材の学校]は、日々の食卓を豊かに楽しむために、
食材についての知識をより深く学ぶ、あたらしい講座として今年度から始まりました。
第1回目は、「お出しの教室」。
日本食の味の要である「お出し」についての様々な知識を、
大阪の空堀商店街に店舗を構える「こんぶ土居」、4代目の土居純一さんに伝えていただきました。
まずは、こんぶの歴史やお出しについての説明。
皆さま、メモを取りながら耳を澄ませます。
しっかりと知識を蓄えたら、いよいよ、「日本一のだしのとり方教室 in 鹿の舟」の始まりです。
講座当日の朝に少し仕込んでおいた、こんぶ出しを火にかけ、
ちょっとしたコツなどを交えながら、お出しの取り方を教わります。
こんぶが取り出され、出しの香りが更にふわっと広がると、思わず席を立って覗きこむ方も。
一つ一つの素材にこだわる土居さん。
お出しに使用したかつお節は、講座のために朝に削ったばかりの新鮮なものを用意してくれました。
かつお節は削りたてが一番おいしいと自信を持って伝えてくれます。
お出しの味わいをより体感していただくために、
"こんぶ出し"
"こんぶとかつお節のお出し"
"塩と薄口しょうゆで味付をしたこんぶとかつお節のお出し"
3種類を飲み比べます。
最初は、こんぶのみでも十分に「美味しい」と感じるのですが、
ひと手間加えたお出しを一口頂くたびに変化する味わいの奥深さに、
お代わりを希望される方もおられるほど。
目の前で仕上がったできたてのお出しは、お吸い物にしていただきます。
土居さんからお吸い物を受け取り、食事の時間が始まります。
他には、大和野菜のお浸し、「こんぶ土居」の塩切すこんぶと黒とろろを使用したおにぎり2種盛りと
奈良の食材と組み合わせた計3品を提供しました。
お味噌汁の話からいりこ出しの話や、こんぶの賞味期限の話など、
食への関心が高い参加者からの質問も飛び交います。
また、好評であったのがこちら。
こちらは、かつお節を作るための機械。
かつお節は鮮度がとても大切だと話す土居さん自ら、
削りたてのかつお節を用意され、皆さまで試食します。
色や香りはもちろん味わいも、普段よく使う鰹節と全然違うと、参加者からは感嘆の声が上がります。
最後は、皆さまで感想を共有し合い、講座は終了となります。
"同じようにお出しを取っていたはずなのに、素材が違うとこんなに味が違うなんて"
"こんなにおいしいお出し、かつお節を初めて食べました"
とても嬉しい感想が並びます。
真摯に食と向き合う土居さんだからこそ、皆さまの心に訴えかける内容となりました。
参加された皆さま、有難うございました。
そして、お出しのことを熱く語り、お出しのことを温かく見つめる土居さんに惹き込まれる2時間でした。
日々の食事に、これからもお出しを取り入れ続けていただけると嬉しいです。