茶の湯の学校「和菓子」 開催いたしました
今年度から始まった[茶の湯の学校]は、総合芸術といわれる「茶の湯」を
構成する伝統文化や、芸術をひもとき、茶の湯の世界と、
その根底にあるもてなしの心に親しんでいただく講座です。
第1回目は、「和菓子」を取り上げ、6月9日(土)に開催しました。
茶の湯には欠かすことのできない「和菓子」。
季節の移ろいを、研ぎ澄まされた感覚ですくい取り、
おもてなしへとつなぐ心が茶の湯の精神と通じているのではないでしょうか。
奈良を拠点に活躍されている、
萬御菓子誂處 樫舎(よろずおんかしあつらえどころ かしや)
主人 喜多 誠一郎(きた じょういちろう)さんをお招きし、
和菓子づくりの実演を拝見しながら、お話しを伺いました。
会場で登場する和菓子とその材料の紹介に加え、日本人の精神性や
奈良の文化についてのお話、ご自身の菓子づくりの経験談をからめながら、
和菓子の世界を案内してくださいました。
喜多さんの「和菓子は素材を穢(けが)さないことが大切」、
「畑が美味しさをつくる」という言葉から、農家さんや、畑から受け取った
素材と真摯に向き合う姿勢が感じられ、心に強く残りました。
一方で喜多さんの繰り出す、愉快なエピソードと軽妙な語り口に、
笑い声が絶えない会となりました。
喜多さんのお話しに引き込まれ、立ちのぼる、かぐわしい香りを楽しみ、
丁寧に仕上げられた、食べごろのお菓子をまず目で楽しんで、手にとって味わう。
参加者の皆さんがお菓子を愉しむ様子は見る者も幸せにしてくれました。
和菓子はまさに、五感で味わう小さな芸術品。
今回登場したのは「和三盆の干菓子」「紫陽花(あじさい)きんとん」
「葛(くず)焼き」「鯛もなか」。
すべて食べごろ、できたてを出してくださいました。
また、この「茶の湯の学校」開講のきっかけともいえる
「奈良で茶の湯を愉しむ会」の講師、武者小路千家(むしゃこうじせんけ)
正教授 鳥井妙招(とりい みょうしょう)様もご参加くださり、
「紫陽花きんとん」に合わせて、薄茶を点ててくださいました。
最後に樫舎さんのお菓子との出会いや関わりのお話もしてくださり、
きさくで楽しい「奈良で茶の湯を愉しむ会」の雰囲気を
皆さんにも感じていただく、良い機会となりました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。