第二回講座 「つたえる」 ありがとうございました
6月17日・18日の2日間、
編集者・プランナーの岡本仁さんを講師にお迎えして、第2回基幹講座「つたえる」を開催しました。
参加者の皆さんには、最終目標である「わたしの奈良案内」を作るために、
「つたえる総論」 「聞く」 「見る、歩く」という3つの講座を受講いただきました。
講座1「つたえる総論」では、「つたえる」ための前提を見つめ直すとともに、
「つたえる」をテーマした講座で、なぜ「わたしの奈良案内」を作成するのか?
その理由を理解するところからスタートしました。
「案内地図」を作る意味。
東京発信のメディアに偏らない、フラットで公平なメディアのために、
岡本さんはいろんな地域で、「発信すること」についてお話をされています。
ある地域について発信しようとするとき、まずはその地域のことをよく知らなくてはなりません。
よく知るために作るもの、それが「案内地図」。
作るならば、その地域のことを好きになってもらうために、魅力的に受け止めてもらえるようにしたい。
ここで、「つたえる」というテーマと密接に結びついてきます。
何を、誰に、何のためにつたえるのか、
「案内地図」とは、その作成過程で、それらとじっくり向き合うことができるものなのです。
各地で自発的に生まれてきた「案内地図」の例を挙げながら、わかりやすく、今回の趣旨を紐解いてくださいました。
また、「編集者の目線」を理解するために、
同じものを寄りで撮った写真、引きで撮った写真を実際に見比べながら、
「つたえるための写真の撮り方」を体感したり、
文章は同じで写真が異なる3つの記事を見比べながら、
そのつたわり方がどのように異なるかを体感したり、興味深いワークをしていただきました。
翌日の講座2「聞く」では、
初めて会う人にインタビューするための手法、その大変さを体感してもらうため、
皆さんの目の前で、岡本さんが、石村由起子(くるみの木)に公開インタビューを。
「奈良に来たのはどうしてですか?」という質問から始まり、
奈良のおすすめの場所や過ごし方についてインタビューをする岡本さん。
ご自身の実体験や考えを挟みながら、自然な流れで、石村の思いや考えを引き出していかれました。
印象的だったのは、
最後に「石村さんにとって奈良とは?」は一番ダメな質問です、というもの。
インタビューのまとめは「聞く側」のやること。
最初から着地点を決め込まずに、相手の話を興味深く引き出していくためには、
「聞く側」がいかに工夫するかにかかっているということ。
「聞く側」の意識について考えさせられる時間でした。
昼食には、「だいどころ飛鳥」さんのおいしいおにぎり弁当を食べてひと休み。
いよいよ講座3「見る、歩く」です。
石村もおすすめする高畑地域を、ぐるりと散策することになりました。
ガイドは無し、道順(コース)の案内をするのみで、
それぞれが面白いと思うものを発見し、自由に写真を撮っていく、というルールです。
梅雨の晴れ間、夏日のような灼熱の昼下がり、
熱中症に気を付けながら、ゆっくりそれぞれのペースで、
立ち止まったりじっくり撮影したり、高畑を歩きました。
途中、鹿にも遭遇。皆さん集中してシャッターを切ります。
細い路地を通り、昔ながらの町並みを眺め、
新薬師寺、志賀直哉旧居を通って、最終目的地は「たかばたけ茶論」。
最後の編集会議の時間です。
それぞれが作成する「わたしの奈良案内」が集まり、ひとつの成果物になることをイメージして、
どうしたら集めたときに面白くなるのか?という視点で考えます。
皆さん散策途中で見たものをそれぞれに思い返し、
どのように一枚の原稿にまとめようか、少し緊張と不安もありながら、
質問をしたりお互いに話し合ったり、イメージを膨らませておられました。
一通りの質問とお話が終了し、ここで解散。原稿を書くのは宿題です。
「たかばたけ茶論」を新たなスタート地点として、散策の続きをしていただくべく、
皆さんをお見送りしました。
短く限られた時間ではありましたが、
それぞれの視点から、どんな「わたしの奈良案内」が紡がれるのか楽しみです。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました!
今回歩いたコースは、[鹿の舟]繭でお伝えいたしますので、
ご興味のある方は、ぜひお越しの際、お気軽にお尋ねくださいね!