奈良東部の初夏めぐり 月ヶ瀬の大和茶づくりを訪ねて 展 開催中です
「奈良東部の初夏めぐり 月ヶ瀬の大和茶づくりを訪ねて展」 始まりました。
自然豊かな月ヶ瀬で大和茶を作り続けている茶農家の方が
大切に保管しているお茶の古道具と、
その茶農家の方が茶葉と真摯に向き合う様子を
切り取った写真を展示しています。
「繭」を入るとすぐ、ティーファーム井ノ倉の
古道具と新茶が迎えてくれます。
本来の役目を終えた道具たちが、
多くの方の目に触れることでお茶づくりの文化を伝えます。
好奇心を持って道具を見つめる子供たちは「格好良い!」と声に出しながら、
「箕」を田植え等で使ったことのある方は懐かしいと呟きながら、
幅広い世代の方に楽しんでいただいています。
展示室に足を踏み入れると、鳥のさえずりが蔵の中に響きます。
優しい鳴き声が心地よく、耳を澄ませながら展示をご覧いただけます。
蔵に足を踏み入れてすぐ、
手揉みで使う「焙炉(ほいろ)」が目に飛び込んできます。
焙炉に張られた和紙は使い込むことで深みを帯びた風合いになり、
その度に和紙を貼り換えて使い続けます。
焙炉の上に蒸した茶葉を広げ、素早く茶葉を揉みます。
全身の力を込めて揉むことで茶葉の水分を飛ばしていくと、
最後は1/10ほどの量になります。
仕上がった茶葉はつやのある深い緑色が目に美しく、
針のように細くなります。
「摘菜鋏(てきさいはさみ)」も展示しています。
昔はずっと手摘みで収穫していた茶葉。
鋏が使われ始めたことでお茶の収穫量がぐんと伸び、
茶農家の方の仕事の負担もだいぶ減ったようです。
後に袋付きの鋏が作られると、こちらも大きく普及します。
道具に凝らされた工夫を辿ると、とても面白いです。
今では機械摘みをする茶農家が多い中、
道具を通して時代の変化や当時の知恵を垣間見ることができます。
蔵の2階は写真展の会場になっています。
月ヶ瀬を代表する2人の茶農家の、手仕事の雰囲気が感じられる、
ぐっと惹きつけられる写真が並びます。
撮影された写真家も、月ヶ瀬に住んでおられます。
茶葉に愛おしそうに触れている姿や、
焙炉で手揉みをしている瞬間を撮影した写真。
写真家の方と茶農家の方との信頼関係があるからこそ切り取れる、
その一瞬を収めた写真の数々が並びます。
一番奥では、茶畑の美しい風景写真が迎えてくれます。
7月に入ると、二番茶の時期を迎えるため、
茶農家の方は休みなく働きます。
今回の展示を通し、大和茶の味わいが多くの方に愛される、
その理由を感じてもらえれば嬉しいです。
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奈良東部の初夏めぐり
月ヶ瀬の大和茶づくりを訪ねて 展
開催期間/6月17日(土)→7月30日(日)
9:00→17:00(年中無休)
場所/[鹿の舟]繭Mayu 展示室
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