天川村に涼を求めて
二十四節気では「処暑」。暑さが和らぐ頃とされていますが、
ここ何年かは残暑がとても厳しいように感じます。
涼を求めて、天川村を訪れました。
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奈良市から車で2時間程の天川村は世界遺産の霊峰大峯山をはじめ、
雄大な山々に囲まれた、澄んだ水が流れる気持ちのよいところ。
標高が高く、気温が低いので、涼をとるにはぴったりです。
天川村の魅力はたくさんありますが、まずはなんと言っても水の美しさ。
清流天ノ川の水は透明度が高く、深いところは碧色に見えます。
冷たい水に足を浸すと、夏の疲れがすーっと消えて、
心もきれいなもので満たされるような気がしました。
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トンボがたくさん飛んでいて、魚も泳いでいて、
朱色のかわいらしい川サツキがちょうど咲いていました。
大切に守り続けたい原風景です。
次にご紹介するのは日本三大弁財天の天河大辨財天社(てんかわだいべんざいてんしゃ)。
主祭神は水の神様である市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。
元々は太陽や月、川や山、石などを神格化した自然崇拝でした。
後に神道、仏教、神仏習合により、インドのサラスバティーとも言われる
芸能や音楽の神様の弁財天となったそうです。
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三大霊山の高野、熊野、吉野を三角に結び、ちょうど真ん中に位置する神聖な場所。
心静かに日々の感謝をお伝えしました。
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弘法大師空海も参籠された天河大辨財天社の七堂伽藍の塔頭の一つ、
来迎院には空海のお手植えで、樹齢1200年と伝わる大イチョウがあり、
その大きさとのびやかな枝ぶりに目を見張ります。
緑の小さな実をつけていて、
秋には葉が美しい黄金色に色づくのも楽しみです。
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次に奈良県の特別天然記念物に指定されている
面不動鍾乳洞(めんふどうしょうにゅうどう)をご紹介します。
面不動鍾乳洞へ行くには「ドロッコ」の愛称で呼ばれる
モノレールに乗ります。乗車時間は5分程ですが、
山の斜面を急上昇するので、緊張感を楽しめます。
頂上に着くと、大峯山脈や洞川温泉郷などの絶景が広がります。
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全長280mで、夏場でも洞内の平均気温は8℃。
貴重なストロー鍾乳管が見られます。
ひんやりとした空気で気持ちよく、
長い年月をかけて作られた自然の造形美は
ライトアップもされており幻想的です。
最後にご紹介するのは洞川温泉街です。
大峯山はおよそ1300年前に修験道の開祖である
役行者(えんのぎょうじゃ)が開いた霊峰。
その大峯参りの修験者が洞川温泉で体を休めました。
吉野杉を使った美しい建築の懐かしさが残る温泉街。
夜には提灯に明かりが灯り、風情があります。
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飛鳥時代から伝承されてきた、天然生薬由来の和漢胃腸薬
「陀羅尼助丸(だらにすけがん)」や、洞川の天然水で仕込んだ地ビールのお店、
アユやアマゴ定食が食べられるお食事処などもあるので、
温泉に浸かった後のそぞろ歩きも楽しいです。
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他にも奈良の食材を使った自然派ジェラートや、
湧水を使った天然酵母パンなど、美味しいものがたくさんあります。
夏の暑さで疲れた身体を癒しに、天川村に行ってみてはいかがでしょうか?
秋にはみたらい渓谷や大峯山龍泉寺の紅葉もとてもおすすめです。