[鹿の舟]の庭便り 如月
二十四節気の「雨水」を迎え、
冬の凛とした空気もやわらぎ、氷は溶けて水になり、
降る雪も雨となる季節になりました。
暦の上では最も寒かった季節を越えたようです。
まだ寒さの残る奈良ですが、
鹿の舟の庭ではたくさんの草木が少しずつ春に向けて準備をしています。
ほんの一部ですが、その様子をお届けいたします。
蕗
古くから、数少ない日本原産の野菜として、
また咳や痰に効く生薬としても、人の暮らしに役立っています。
クリスマスローズ
イギリスではクリスマスの頃に咲く事から名づけられましたが、
日本では年が明けてからの開花です。
「雪起こし」の別名もあります。
幾つか種類がありますので、探してみてください。
冬咲きニオイカズラ
目立たない花ですが、蝋細工のように透明感のある薄い黄色の花からは、
ほのかにいい香りがします。
十月桜
秋から咲き始め、年を越してからも
さみしい冬の庭に長い間、華やぎを与えてくれています。
白梅
ほのかに甘く、それでいて爽やかな香りを届けてくれています。
もう、今から初夏の青梅を楽しみにしているのは私だけでしょうか。
「雨水」を越えると次の節気は「啓蟄(けいちつ」、
土の中で冬ごもりをしていた生き物たちが目覚める頃です。
一雨降るごとに気温が上がり、春蕾もひときわ大きくなる事でしょう。
春を見つけに、「鹿の舟」にお立ち寄りください。