桃尾(もものお)の滝
奈良町から車で30分ほどのところに、
古くから地域の暮らしと密接に関わりのある、清涼な滝があると聞き訪ねてみました。
天理市に入ってからは、なら歴史芸術文化村の前を通り、
古くから「布留の滝」と呼ばれた行場であり、
古今和歌集では後嵯峨天皇が歌に詠んだのだとか。
「やまとの水」にも選ばれた清澄な水が落ちる、落差23mの滝からは
凛とした、清々しい風を運んできてくれます。
また、滝壺の横には鎌倉時代中期の秀作とされる不動三尊磨崖仏が
彫られていて、神聖な気持ちにさせられます。
明治時代、廃仏毀釈により廃寺になるまでは
桃尾山蓮華王院龍福寺という広大な敷地をもつ密教寺院の
境内地だったと伝わります。
滝からは、龍福寺跡を経て大国見山への登山道が続いていて、
道中、たくさんの梵字や石仏が並び、
古来からの人の行き来がうかがい知れます。
登山道の途中には、龍福寺跡大親寺があります。
春は新緑、夏は納涼、秋は紅葉と四季折々の姿が楽しめます。
一度、訪れてみてはいかがでしょうか。