鹿の舟のいま

猿沢池

「さるさわいけ」

奈良在住の人々には、なじみ深い猿沢池。

何度か奈良に訪れたことのある方は、
きっと一度は耳にしたことがあると思います。

近鉄奈良駅からひがしむき商店街や小西さくら通り商店街を南に抜けると
三条通にぶつかり、そのまま東へ行くと猿沢池へ。

JR奈良駅からは三条通りを東に真っ直ぐ行くと猿沢池に出ます。

猿沢池と、北側にある興福寺の五重塔が一緒に見える、
風情ある景色が現れ、初めて奈良を訪れた方にとっては、
「わぁ奈良らしい」と心が躍る方もいらっしゃるかもしれません。

猿沢池①.jpg

興福寺へ続く階段を上がると、奈良公園の方角につながります。
この辺りから鹿と出会うことも多くなり、のんびりと歩きやすい場所です。

猿沢池から南の方角には、ならまち大通りに向かって、
様々なお店が並ぶ通りが南北に走っています。

また、もちいどの商店街に向かって細い路地もあり、
歩くと格子や石畳の小道など、趣のある景色も見られます。

時々お店の中を覗いたり、
建物や道なりも見ながらゆっくりと散策するのが楽しい所です。

池の周りには遊歩道とベンチがあり、水辺を歩いたり、
景色を眺めながら古代に想いを馳せ、
また次の行先を考えるのにも心地良い空間です。


水面には、鏡のように周りの木々や五重塔が映り、
静かでゆったりとした時間の流れを感じることができます。

地元の人や散策途中の人など、様々な人が自由に利用されています。

猿沢池⑤.jpg


猿沢池⑥.jpg


日が沈む頃には、夕焼け空が池に映り、とても綺麗です。

猿沢池⑦横.jpg


猿沢池③.jpg

猿沢池の歴史は古く、奈良時代の749年(天平21年)に造られました。
人工池というのが信じられませんが、
興福寺が行う生き物の命の大切さを慈しむ「放生会(ほうじょうえ)」
という儀式で、魚を放生する池として造られたそうです。

名前の由来は、インドの「猿池」や猿の意味を持つ「獼猴(びこう)池」
からきている、と言われています。

1200年以上も前から、変わらず佇んでいる猿沢池は、
奈良を代表するシンボルのひとつでしょう。

これからの秋の気配が深まる季節に、
散策と合わせて、ぜひ足を運んでみてください。





鹿の舟ページへ戻る

Instagram

日本語   |   English