鹿の舟のいま

饅頭祭り

4月19日(金)、葉桜が陽光に輝く頃
日本唯一の饅頭の社「林(りん)神社」で
一年に一度の「饅頭まつり」が開催されました。

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林神社は漢国(かんごう)神社の一画に静かに佇むお社ですが、
その日は神社の境内全体が林神社と饅頭まつりが主役となり、
参拝者を迎えてくれます。

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市街地のビルの間に鎮座する漢国神社の鳥居も饅頭まつりの装いです。

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社の前には沢山のお供えが並び、
饅頭の祖として「林神社」に祀られている、林浄因(じょういん)の子孫で
今日まで和菓子づくりを続ける「塩瀬総本家」の上用饅頭も捧げられます。

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14世紀に中国から来日した林浄因は、現在の漢國神社の前に住まいを構え、
日本で初めて小豆餡の入った甘い饅頭を作った人だと言われています。

その饅頭は当時画期的なもので、上流階級に大好評を博し、
足利将軍家や宮中に献上されるまでになったそうです。

宮司さんによると、「饅頭まつり」も年々好評を博し、
訪れる方が増えているそうで、
祭典の前からお社の前には参拝者の長い列ができていました。

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また、全国の菓子屋さんから献上された沢山の饅頭が一同に並び、
祭典の雰囲気を盛り上げます。

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祭事は銅鑼(どら)の音とそれに続く雅楽ともに始まり、

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神前・供物・参列者を清める修祓(しゅうばつ)という儀式の後
献菓・献茶が行われました。

その後は祝詞(のりと)の奏上があり、
奈良市長、和菓子協会、日本粒あん協会を始め
観光業関係、和菓子業界の方々から玉串料の奉納があり、
宮司さんのご挨拶へと続きました。

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最後には参列者や参拝者に饅頭と抹茶のふるまいがあり、
約1時間でお祭りはゆるやかに幕をとじます。

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今年の祝詞は、全国の饅頭屋さんの商売繁盛を祈願し、
饅頭の祖、林浄因への感謝、5月からの令和という新しい時代が
より良きものになるよう、饅頭のように丸く、穏やかになるように、
平和への祈りをこめて唱えられたそうです。

饅頭の歴史に思いを馳せながら、春空のした、
饅頭とお茶をいただくのは和やかなひと時です。

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お菓子を皆で囲む穏やかで豊かな世界は、
確かに平和へとつながることでしょう。

このようなお祭りが奈良のゆったりした風土とともに
これからも大切に受け継がれていくことを望みます。

また、今回のお祭りに合わせ、参道で出店されていた
天理「倭の里」さんの和菓子は[鹿の舟]竈にも週末入荷し、
ご好評を頂いています。

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今月は桜の葉入り「三色団子」「はっさく・いちご大福」など
季節の和菓子をご用意しています。

奈良町散策の際には、こちらもぜひお楽しみください。








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