鹿の舟のいま

炭 ― 茶の湯の道具 其の二 ―

11 月から 4 月にかけて茶の湯では床に切った炉で湯をわかし、

暖を取りながら茶事が行われます。


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その炉に火をおこす炭。


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茶道では「茶の湯炭(ゆずみ) 」とも呼ばれ、大切にされています。

お客様の前で炉の炭をくべる炭点前(すみてまえ)があり、

茶を点てる前に湯がよい加減に沸くよう心を配ります。


もともと炉の炭を準備し、火を入れることは裏方の仕事であり、

人前で披露するものではなかったのですが、

千利休が客人の鑑賞にふさわしい洗練された所作として確立しました。


千利休の茶会が登場する文献に、豊臣秀吉の前で初炭をつぎ、

名水を入れた茶釜をかけるという所作が記録されています。


こうして茶の湯にふさわしい形や品質の炭が作られるようになり、
独特の名前を持つようになりました。


流派によって違いはありますが、

主な道具炭には一番大きい胴炭(どうずみ)、
胴炭の半分の長さで細い丸毬打(まるぎっちょ)、
それを2つに割った割毬打(わりぎっちょ)などがあります。


茶会では切り口の美しい菊炭(きくずみ)が使われるそうです。



炉にくべられた炭の美しさや大切さに気づいた先人、

それを客人と分かち合う心。


繊細な季節ごとの美を感じる日本文化と

おもてなしの精神がここにもあります。


赤くいこった炭と香気を含んだ暖かい空気に触れながら
炉のお点前を体験していると、冬をあたたかく
過ごしてもらおうという心遣いを随所に感じます。


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[鹿の舟]のお茶稽古でも 11 月から茶の湯の大切な季節の節目、
「炉開き」で冬支度が整っております。


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12 月は炉の茶稽古 2 回に加え、「お正月の迎え方」と題して、
正式な主菓子器である「縁高(ふちだか)」の扱いや
濃茶の頂き方などを学ぶ特別教室も予定しております。


そして来年、1 月には茶の湯の世界で新年を祝う行事、初釜を行います。
懐石料理を頂き、先生のお点前を拝見した後、薄茶と濃茶を頂きます。

各詳細はこちらからご覧ください。


皆さまのご参加をお待ちしております。

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