ゆべし
十津川村の特産品のひとつ「ゆべし」。
藁に包まれ、かわいらしい丸い形をしています。
「ゆべし」は昔からある料理で、元々は保存食として作られていました。
柚子に味噌や調味料などを詰めた珍味の「ゆべし」や、
蒸し菓子や餅菓子のような和菓子の「ゆべし」などがあります。
「ゆべし」は漢字で書くと「柚餅子」となります。
奈良県の一番南にあり日本一大きな村である十津川村。
村では、柚子を「ゆう」、ゆべしを「ゆうべし」と言い、
冬が近づき、柚子が色づき始める頃に珍味の「ゆべし」が作られます。
柚子のヘタの回りを切り、果肉をくり抜くと、
その中に、そば粉、味噌、もち米粉、かつお節などを練って詰めていきます。
これを長時間蒸して冷ましたあと、藁を巻いて軒に吊るし、
1ヶ月程、冷たい風に当てて干すと出来上がりです。
「ゆべし」作りで使わなかった柚子の果肉部分は、
ポン酢などの調味料にも使用することで、食材を大切に使い切ります。
柚子の香りとコクのある味わいにお箸が進む「ゆべし」。
薄く切ってそのまま食べても、チーズなどと合わせても美味しく頂けます。
お酒のあてに、お茶漬けに、お弁当のおかずにと色んな場面で使えます。
十津川村以外にも、全国各地で「ゆべし」は作られています。
中に合わせる具材は地域や各家庭によっても異なるため、
様々な味わいの「ゆべし」があるようです。
「食堂 竈」では、十津川村の「ゆべし」を販売しております。
是非、一度ご賞味ください。