2年目の蓮
昨年の6月から始まった「鹿の舟のいま」。
毎週、[鹿の舟]や奈良にまつわる様々な情報をお伝えし、
昨日でちょうど1年を迎えました。
目を通してくださっている皆さま、いつも有難うございます。
これからも、「鹿の舟のいま」を通して、
[鹿の舟]や、奈良により親しんでいただける情報をお届けいたします。
昨年、株分けと植え付けを行った「蓮」。
1年が経ち、今年も大きな葉をたくさんつけています。
昨年の今頃は、まだ蕾ばかりでしたが、
今年は少し早く、もう花を咲かせていました。
雨の中、可憐に咲いている蓮。
葉が雨水をはじいて、ころころとした可愛い水玉ができています。
蓮は、仏の世界を表す花として、お寺でもよく植えられています。
蓮やスイレンを「蓮華」と呼びます。
蓮華は、泥の中にあっても水をはじき、泥の汚れもつけずに
きれいな花を咲かせることから、仏教では理想の境地を表します。
仏教発祥の地のインドでは、蓮は国花として親しまれています。
また、仏像の台座には、蓮の花の形をした「蓮華座」があります。
蓮華座は台座の中で最も多い形で、奈良では東大寺の盧舎那仏が有名です。
蓮弁の段数は、立像と坐像とで使い分けされていますので、
仏像巡りをするときに意識して眺めてみるのも面白いかもしれません。
他にも、蓮の花を挿した水差しを持つ仏像もあります。
法華寺の十一面観音菩薩立像は、その水差しを左手に持ち、
光背には、蓮の丸めた葉と蕾が交互に並んでいます。
雅な佇まいは、ため息が出るほどの美しさです。
蓮の花は、甕や壺に植え付けをすることが多いですが、
名勝「依水園」では、池で育つ蓮を楽しむこともできます。
今は葉がぐんぐん育ち、花の見ごろは7月頃のようです。
お昼を過ぎる頃、[鹿の舟]の蓮は花びらを閉じていました。
他の蕾も、これからどんどん花を咲かせ、
今年も私たちの目を楽しませてくれることでしょう。