鹿の舟のいま

茶の湯の愉しみ、その心

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茶の湯は今日、日本固有の文化として国内外で認められています。

 

その茶の湯の開祖と言われているのが室町時代中期の僧であった珠光です。

 

奈良に生まれ、終生本拠地の一つとしたという説もあるため、

奈良は茶の湯発祥の地と言われることがあります。

 

 

当時、将軍家や有力大名が高級唐物の道具を披露する

社交場のような茶会のスタイルと対峙し、

 

喫茶に精神的な深さ・哲学をもたらし、

芸術の域に高めようとしたのが珠光でした。

 

 

その背景には当時の芸術界の流れが大きく関わっています。

 

室町時代中期には表向きの美ではなく、

 

冷(ひえ)・凍(しみ)・寂(さび)・枯(からび)

 

といった文字で象徴的に言い表される、「深層に潜む美」を

追求する芸能が花開きました。

 

世阿弥の能楽や(しん)(けいの連歌(上句、下句でつなぐ和歌)、

雪舟の水墨画がその代表に挙げられます。

 

また同時代に発展した一休宗純が有名な禅宗の影響もあると言われています。

 

 

珠光がこれらの流れを受け、茶道は人間の心の成長を

探求する道であると考えたことを示す文献として

 

彼が弟子の古市ふるいちちょういん(奈良の武将)に送った

「心の文」という手紙があります。 

 

その中で、

 

「まず忌むべきは、自慢・執着の心である。」 

 

「自分の心を導く師となれ 我執にとらわれた心を師とするな、と古人もいう。」

 

と、茶道の作法というよりは心の在り方を説いてるのが印象的です。

 

その後、茶の湯の精神は戦国時代の堺の豪商、武野(たけの)紹鴎(じょうおう
千利休によって大成されていきました。

 

利休は「術は紹鴎、道は珠光より」と説いており、

これが珠光、紹鴎の功績を後世に広めたと言われています。

 

また人と人が互いに敬い、自己を慎み、清らかに己と向き合う

 

「和敬清寂(わけいせいじゃく)」の心は、

 

茶道の本義として現在にまで伝えられています。

 

 

ここ奈良町、鹿の舟でも今年3月から「和敬清寂」の心に触れ、

親しんで頂く「茶の湯の愉しみ」が開講しています。

 

千利休の流れをくむ三千家の一つ、

武者小路千家 官休庵 正教授 鳥井妙招先生を講師としてお招きし、

お茶のお稽古、日本の心を学ぶ「特別教室を行っています。

 

脈々と受け継がれてきた侘茶の深遠なる精神を体得されながらも、

それをわかりやすく、親しみやすい雰囲気で伝えて下さる先生です。

 

 

各々のペースに合わせてゆっくり学んで頂けるコースですので

お気軽に見学にお立ち寄りください。

 

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