式年造替
20年に一度執り行われる、春日大社の「式年造替(ぞうたい)」
今年は第60次式年造替の年にあたります。
毎年2200回以上のお祭りが奉仕されている春日大社の中でも、
式年造替は最も重要な祭事にあたります。
「式年」とは、定まった1年の年限、
「造替」とは、本殿の位置を変えずに建て替えや修復を行うことを言います。
神護景雲2年(768年)、日本国の安泰と国民の幸せを願い、
御蓋山をご神山として麓に社殿を建て、
四柱の尊い神々をお祀りしたのが春日大社の始まりとされており、
全国に3000以上もある春日神社の総本社でもあります。
そんな春日大社で、普段のご奉仕ではできない御社殿の大修理と御調度品の調整、
これらに伴う諸儀式を執り行い、神様にお悦びいただく御神慮を
有り難く拝させていただくことが、神様への祈りや御造替の原点にあたります。
その後も、御殿の建て替えと御神宝の新調をほぼ20年ごとに繰り返しています。
現在、ご本殿は国宝に、諸社殿は重要文化財に指定されているため、
新築することはなく、傷んだ箇所の修復や塗り替え、屋根の葺き直しといった
保存修理が行われています。
昔から受け継いだものを活かし、後世に伝えていくことで、
春日大社は今でも荘厳な雰囲気を保ち続けています。
また、檜皮の屋根の寿命や、宮大工の技の継承のためにも
20年はちょうど良い期間のようです。
今次造替は平成19年に、一之鳥居の修繕から始まり多くの建物が竣工しています。
昨年の3月に「仮殿遷座祭(外遷宮)」が行われ、神様はご本殿から御仮殿に
お遷りになっていました。
先週11月6日(日)に行われた「本殿遷座祭(正遷宮)」で
仮御殿から新しい御本殿に神様がお遷りになり、式年造替は完了となりました。
正遷宮の後も様々な催しが行われます。
明日11月11日(金)~13日(日)は、「正遷宮初まいり」が行われます。
13時からは、ご本殿の特別参拝は無料開放され、
夜には奉祝万燈籠が実施され境内が趣溢れる雰囲気に包まれます。
他にも多くの催しが行われる春日大社。
次の遷宮は20年先になりますので、今年はとても貴重な節目の年です。
是非、今年のうちに足を運んでみてはいかがでしょうか。