井上皇后
縁結びの神様として知られる「御霊神社」
古くから「ごりょうさん」と親しまれています。
奈良町の中心部にあるため、立ち寄られた方も多いのではないでしょうか。
75町内約5000件の氏子を持ち、奈良町の人々にとって大切な氏神神社です。
桓武天皇によって延暦19年に創建され、8柱の神様をお祀りしています。
御霊信仰は、悲運のうちに亡くなった方の霊魂をお祀りし、
災難から逃れようとすることを言います。
桓武天皇はライバルたちを排除するなど政争に明け暮れていましたが、
第1皇子(後の平城天皇)の発病、妃や生母の病死、疫病や洪水などの凶事を
政争に巻き込まれ亡くなった霊魂のせいだと考えておられたようです。
聖武天皇の皇女で光仁天皇の皇后である井上皇后(いがみこうごう)も
桓武天皇の政権争いに巻き込まれ、無実の罪により
皇太子の他戸親王(おさべしんのう)とともに
位を廃され、宇智郡(五條市)に幽閉されて亡くなりました。
桓武天皇は井上皇后母子の霊を鎮めるために皇后位を復し、
御霊神社を創建しました。
その後、永徳3年の土一揆により、近隣の元興寺小塔院跡から出火し、
金堂や南大門、大乗院まで炎上しました。
その際、焼けた元興寺薬師堂跡に現在の御霊神社が移築されました。
現在は、願い事達成、健康、知恵授けなど様々なご利益があり、
出世稲荷神社は、縁結びの神様として人気があります。
橘逸勢(たちばなのはやなり)は書道の神様として知られ、
書の上達のご利益もあるようです。
こちらでは毎年、秋季例大祭が開催されます。
華やかに彩られた境内に、昨日の宵宮では屋台が並び、
奈良町の家々には提灯が灯ります。
本日13日には例祭、その後、渡御祭(とぎょさい)が始まり、
神輿とともに平安朝の装束に身を包んだ氏子が奈良町を練り歩き、
獅子舞も登場して、とても華やかになります。
[鹿の舟]のすぐ横も行列が通り、華やかな雰囲気に包まれます。
「食堂 竈」の窓越しに、行列を間近で見ることもできました。
[鹿の舟]がある奈良市井上町。
[鹿の舟]の東には井上神社があり、井上皇后がお祀りされています。
小さな神社ですが、お社の立替が完成し8月には本殿遷座祭式がありました。
地域の方々に見守られ、仮社から本殿にご祭神をお遷ししています。
[鹿の舟]の田んぼでは稲穂が黄金色に輝き、秋の風景に変化していますので
御霊神社の例大祭を楽しんだ後、田んぼの風景を楽しみながら
[鹿の舟]を抜け、井上神社に手を合わせてみてはいかがでしょうか。