コスモス寺
日本最古のコスモスの名所として
約15 万本 30 種類の花が咲き誇る般若寺。
境内を彩るコスモスの可愛らしい花や優しい色合いを楽しみに、
毎年多くの方が訪れます。
般若寺は飛鳥時代に高句麗の僧、慧灌法師によって創建され、
天平 7 年、聖武天皇が平城京の鬼門を守るために「大般若経」を納め、
石塔を建て「般若寺」と命名されました。
平安の頃には、学僧 1,000 人が集まる学問寺として長く栄えていました。
しかし、平安末期の平重衡による南都焼き討ちや、
室町時代・戦国時代の戦乱、松永秀久の兵火などでは
東大寺や興福寺とともに大きな被害を受けたようです。
鎌倉時代に宋人、伊行末による十三重石宝塔の建立、
西大寺の律僧たちの協力で金堂や講堂、三面僧房など七堂伽藍が復興され、
叡尊上人により文殊菩薩が祀られ信仰の中心となりました。
明治の廃仏毀釈では大きな被害を受け境内地が減らされることもありましたが
修復再建や旧境内の買い戻しをすることで
現在の姿に至ります。
敷地内にある屋根の造りが美しい楼門は鎌倉時代にお寺を再興したときの回廊門で、
楼門遺構では日本最古といわれています。
普段は楼門から境内には入れませんが、
秋の週末はこちらから境内に入ることができます。
また、コスモスの開花に合わせ11 月 11 日まで秋季特別公開も行われています。
十三重石塔から発見された白鳳阿弥陀如来立像、
こちらの台座部に納入されていた胎内仏三尊を見ることができます。
般若寺の向かいには「植村牧場」があります。
明治 16 年に創業したこちらの牧場では、
牛たちだけでなく、羊やヤギ、ウサギや猫にも出会えます。
牧場でもコスモスが見頃を迎えていました。
太陽をたっぷりと浴び、しっかりと餌を食べ運動した牛たちから絞った牛乳は
手作業で 1 本 1 本作られており、新鮮で、牛乳本来の味わいを楽しめます。
[鹿の舟]の「食堂 竃」でも牛乳とコーヒー牛乳の
お取り扱いをしており、お客さまからもご好評いただいています。
これから涼しくなる秋に向けて、奈良町から少し足を延ばし
散策してみてはいかがでしょうか。